江戸時代の階層構造社会においては、設定された身分によって人々はそれぞれ経済的・文化的・社会的に明確な区別をされていました。
その名残として現在でも社会問題になっているのが、同和地区の出身者に対する差別です。
遠い昔に当時の施政者や当局によってある意味恣意的に決められた身分階級の名残でしかないのにも関わらず、そのことによって就職や結婚などの人生のターニングポイントで差別をされているひとが今でも存在しています。
企業においては、新卒採用にあたって応募者が同和地区の出身でないかどうか、親族に同和地区の出身者がいないかなどを探偵事務所を通じて調査していたことがあり、大きなニュースになったことも少なくありません。
それだけではなく、数十年前には大企業が探偵事務所に依頼して、全国の同和地区を調べ上げて掲載した地図を作成させたことがあり、当時は大きな問題になったことがあります。それも一社だけでなく、名前の知られた大企業も含まれていたということもあり、大企業をはじめとする企業側の選民思想の歪みが明るみに出たケースのひとつです。
また、結婚にあたっても両親や親族が結婚相手の身元調査を探偵事務所に依頼し、同和地区の出身であった場合には婚約を破棄するなど、理不尽とも言える差別的な行為が個人レベルでも行なわれていたということも社会問題になっています。
現代の法律においては、国民はみな平等であり、その出自によって差別されることがあってはならないとされています。
上に述べた差別的行為には探偵事務所が関与していたこともあり、平成16年に制定された探偵業法においては、違法とも言える差別的な取り扱いをする目的のために探偵事務所を利用してはならないと明言されています。
こういった出自の調査については、もちろん違法であるから依頼してはいけないというだけではなく、本来はモラルのレベルで自粛されなければならないことです。
他にも、国籍による差別や宗教による差別、個人の思想による差別などに関与しないとする、さまざまな側面において探偵調査の公平さが求められています。
探偵事務所に調査を依頼するにあたっては、自分が依頼しようとしている内容が犯罪に関与するものではないか、あるいは差別的な行為につながるものではないかを、一度冷静になって思い返してみる機会を設けてみることをおすすめします。
法的な規制を検討する前に、自らのモラルで依頼内容を精査する心構えが大切です。
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